記録。

2006年6月14日 恋愛
先月の頭ころ。

恋人に、初めて「別れたい」と言われました。

電話をしていて、ケンカになって、恋人が黙り込んで嫌な雰囲気になって、私が「別れたいなら言えばいいじゃん」と何度もしつこく言ったら、恋人が言った。

私は自分から言い出したくせに、嫌だ、別れたくない、さーくんがいなくなるなんて無理、とくりかえしました。さーくんは本当にもう終わりにしようと思っていたようで、「もう会わない」とまで言っていた。

絶対にそんなの嫌だ、と食い下がったら、「じゃあ一度会って話をしよう」ということになり、一週間後に会う約束をした。

その一週間はほんとうに、なにをしたのかよく覚えていない。ショックすぎて誰にも言えなくて、会社では普通に仕事をしていたけれど、「なんか影が薄いよ」とか言われて、へらへら笑っていた。

どうしたらいいのか、わからなくなっていた。

その日が来て、恋人の会社の近くで1時間、お店にも入らず駅のそばで待っていた。恋人がどんな顔をしてやってくるのか想像できなかった。

恋人は疲れた顔で、いつもと同じように、「どうしようか」と問い掛けた。私は何も言えなかった。何かを口にしたらそれと同時に涙も出てきてしまいそうだった。動けなくなって、顔も見れなくて、恋人は困っていたと思う。

「とりあえず、帰ろう」と言われ、どこに帰るの、と聞けないまま、恋人と一緒に私の家に向かった。電車の中でもなにもしゃべらなかった。私が恋人の手に触ったら、恋人は強い力でぎゅうと握り返した。

何度も歩いた、駅から私の部屋までの道、夜も遅くて人も居ない、暗い道を歩いた。恋人が、「俺のこと、嫌にならないの?」と言った。「嫌になったのはさーくんでしょ」と弱々しい声で答えた。それからまた黙って歩いた。

部屋に着いて、私は堰を切ったように泣いた。別れたいといわれてから一週間、どれほど恋人が好きで、大切で、恋人が私の恋人であるという奇跡がうれしくて、でもそれをすっかり忘れていて、身勝手だった自分をかえりみた。はなれてしまってもしかたがないのかもしれないとも思って、でもどうしてもできなかった。

何も言葉にできない私に、恋人は、「イズミがいないとさみしかった。やり直そう」と言った。

私は泣き止む事ができなくて、ずっと恋人にしがみついていた。


このときのことを、忘れないようにしたい。悲しくて、思い出すだけで苦しいけれど、恋人がいなくなってしまったら、と考え始めたらとまらなくて、自分の存在意義すら見失いそうになってしまうくらい、私は恋人によって形成されていた。寄りかかりすぎていた。そうなった自分を、ふたりの関係を立て直したい。最初のころのような、あたらしい二人になりたい。そう思ったことを。

年末からそのときまで、ふたりの間でたまっていた、でもお互いに口に出せなかったことが爆発して、こうなったんだと思う。

今はそのガスを抜くことができて、恋人が新鮮に目にうつる。一緒にいて楽しい、他の人はつまんない、そう思える。

ありがとう。

忘れないように。

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